■実際の現場でもっとリアルな世界を体験!「アウトオブキッザニア」!!
ここからは、キッザニアの街を飛び出して、よりリアルな“体験”をするOut of KidZaniaについてお話を聞きました!
Out of KidZaniaは、キッザニア東京のオープン翌年(2007年)、子ども達に「もっとリアルな世界」を体験してもらいたいという想いから生まれたプログラムです。
夏休みなどを利用し、20~30人程度の子どもたちをキッザニアのスタッフたちが連れて行くキャンプ形式で、普段は見られない会社の様子を知ったり、実際に働いている人の話を聞いたりすることで、仕事や社会について幅広く学んでいきます。
日帰りもありますが、基本的には1泊2日~2泊3日の宿泊プログラム。タイの工場に行くという海外プログラムも実施したことがありますが、その時はもう少し長期のプログラムになりました。
■キッザニアではできない第一次産業を体験できる場に
キッザニアで体験できる仕事は都会の仕事に限られていて、第一次産業(農業・林業・漁業など)の仕事ができないのです。
「キッザニアの中ではできない仕事を子ども達に体験してもらいたい」と思って、第一次産業の体験ができるプログラムもたくさん実施してきました。
今まさに、キッザニア甲子園のオフィシャルスポンサーである株式会社神明の協力のもと、米作り のプログラムを実施中なのですが、このプログラムは、田植えから稲刈りまでの米作りをしたあと、自分達で作った米を工場で精米し、お客様に安心して食べてもらうための品質検査、そして、自分達のデザインしたパッケージのパック詰めまでをします。
ただ米作りをするのではなく、商品に仕上げるところまでやるのがキッザニアならではですよね。
■妥協せず、提案を重ねてより良い体験プログラムを実現!
Out of KidZaniaのプログラム作りは、「子ども達にこんな体験を提供したい」とキッザニアスポンサーに企画を持ち込むところから始まります。
たとえばキッザニアには「ソーセージ工房」を出展いただいている、日本ハム株式会社に、最初に提案したのは「子ども達が生命をいただくことを実感できる畜産体験」でした。提案してから、「子ども達に畜産をどこまで見せるか」など課題がどんどん出てきて…。
「豚舎で餌やりや掃除など生き物を育てる仕事体験ができないか」と簡単に考えていましたが、豚はすごくデリケートなので、外部の人は入れないそうなんです。
それでも動物に触れる仕事体験をと、日本ハムの担当者の方と何度も打合せをさせていただき、酪農体験プログラムを実現することができました。
■キッズ社員として
Out of KidZaniaに参加する子ども達は、キッズ社員として、体験する仕事のことを学びます。
1人1人キッズ社員の名刺を持ち、「〇〇社Out of KidZaniaのキッズ社員△△です!」とあいさつをして、そこで働くおとな達と名刺交換をします。そこでビジネスマナーを学び、主体的にプログラムに取り組む意識を高めることができるのです。
そして、必ずアウトプットの時間を設けています。自分で取材をしたり、発見したことを、新聞としてまとめたり、グループで話し合ったことをプレゼンテーションしたりもしています。子ども達のアウトプットを見聞きすると、キッズ社員としてプログラムに参加することで、子ども達が「仕事」やそこで「働く人」について、たくさんの「気づき」を得ていることを実感します。
■子ども達をサポートするスーパーバイザー
Out of KidZaniaには、ふだんキッザニアで働いているスーパーバイザー達が、子ども達のサポートとしてプログラムに同行します。彼らは、子ども達の気づきを引き出すサポートをしています。子ども達の気持ちに寄り添い、一緒に楽しみ、感動することで、彼ら自身も多くの「気づき」を得ています。
子ども達にとっても、関わるおとな達にとっても学び多いOut of KidZaniaを今後もどんどん実施していきたいです!
■エデュテインメントタウンを全国に!
キッザニアは子ども達が楽しみながら、働くことや社会のしくみを学ぶ「エデュテインメントタウン」です。このキッザニアのコンセプトを広め、子ども達にキッザニアの職業体験プログラムをたくさん体験してもらいたいと思い、全国各地の職業体験プログラムの監修も行っています。
このプログラムの運営主体は地域の自治体や地元企業や事業者の方々です。
私たちは地域の方々と一緒にプログラムのガイドラインやシナリオを作り、運営研修などをして地域版職業体験イベントのお手伝いしています。
地元の企業が参加してくれたり、その地域ならではの伝統文化や特産物の要素を取り入れることで、地域オリジナル企画ができあがり、イベントを通して、子どももおとなも地域への理解を深め、地元への愛着を持つキッカケになっていると感じます。
都内では「墨田区」「江東区」のキッザニア監修しごと体験プログラムが通年販売されており、申込みをすれば実際にお店に行って体験することができます。
その他にも、三重県や佐賀県、新潟県の三条市でキッザニア監修の職業体験を実施しています。
■単なる作業体験ではなく、事業者の想いも子どもに伝えてほしい
キッザニア監修プログラムでは、子ども達にただ体験させるのではなくて、そこで働く人がどんな気持ちで仕事をしているのか、どういう気持ちで取り組んでほしいかをしっかり伝えてほしいとお願いしています。
イベントの主役は子ども達と事業者の方々です。私たちは裏方として、事業者のみなさんとの繋がりを大切にして、キッザニアが考える子ども達への思いを伝え続ける事で、子ども達のためのエデュテインメントタウンが全国に広がっていってほしいなと思います。
文/nakamura omame
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