親の介護と育児の「ダブルケア」を体験。保育園、仕事…限界をどう乗り切ったか
■介護で仕事をどうするか?
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筆者には4歳差の姉がいて、公務員をしています。母が深刻な病状になったとき、姉は2歳の子どもを育てながら時短勤務をしていましたが、しばらくの間
介護を理由に休職することになりました。
「仕事」、「子育て」、「母の世話」。この期間は、何よりも精神的な負担が大きかったようでした。もしかしたら姉は、仕事も子育ても母のことも中途半端になっているようでつらかったのかもしれません。
職場によって、休みが取れるか否かわかりませんが、状況に合わせて休むことも選択肢のひとつです。ダブルケアによって業務量や労働時間を変更している人も多くいますが、何よりも自身が納得して選択できることが大切だと痛感しました。
■親も介護する人も限界になったとき
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母の体調が悪くなり始めたとき、このままでは母も子どもたちもどちらも重荷になってしまうと、自分の限界を感じました。
もともと連絡を取り合っていた母の友人や母のいとこ、義妹など、助けてくれそうな人全員にお願いして、病室や自宅にできるだけ来てもらうことに。家族が行けない日には代わりに病室に行ってもらったり、筆者が病室に行く間に子どもたちの世話をしてもらったりと、
大きなチームで母の介護にあたることができました。
実際に労働力として支えてもらったと同時に、何より精神的に大きな支えになりました。家族だけで抱え込みがちなダブルケアだからこそ、親戚や友人にも手助けしてもらい、話を聞いてもらうことでずいぶん前向きな気持ちになれたと思います。
「子育て」と「介護」の板挟みになりつらい思いもありましたが、母は子どもたちの存在で笑顔が増え、子どもたちも母の闘病する姿からさまざまなことを学ぶことができたと思います。
「ダブルケア」というと、世話をしなければならないという
重みばかりがクローズアップされてしまいがちですが、家庭だけの問題とせず、もっと幅広く親戚、知人、病院、介護スタッフ、勤務先など巻き込んでいくことが必要だろうと思います。
さらには今後はもっと社会の問題として、経済的、精神的、物理的な支援、すべてが充実していけば、心に余裕をもって介護や育児をできるのではないでしょうか。
筆者の体験は、母の病気によるものではありましたが、これから高齢者が増えていくなかで、「ダブルケア」はひとごととは言えません。ひとりひとりが自分の親や夫の親について、自分たち家族の生き方について、しっかりと考えていかなければならない問題だといえるでしょう。
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