2015年9月30日 22:00
『ロフィシャル』が再創刊へ。オムニチャンネルを生かし常識を覆す【日本モード誌クロニクル:横井由利】
セブン&アイ出版は、母体となるセブン&ホールディングスの流通システムを活用して新たな販路を構築している。従来の取次を通して配本されるシステムの他に、今や雑誌流通の主役となっているコンビニエンスストアの雑誌コーナーは侮れず、各出版社はそのスペースを狙っている。
インターネットは、30年前に3万店あった書店を8千店と激減させた。手にとって本を買うという行為はなくなることはないにしても、書店の数が減っている現状では販路の拡大は望めない。「セブン&アイホールディングスには、コンビニエンスストアのセブンイレブンがあります。その数は全国1万8千店舗に及んでいます。そこに流通のルートがあることは非常に魅力的ですね」。世界で最も高級なモード誌を、コンビニエンスストアの書棚に並べることへの、批判の声も聞こえてくるなか、決然とした馬淵氏の発言には、勝算ありと信じてのことのようだ。
インターネットは時代の価値観を変えている。これまでの常識は非常識に変わるかもしれない、モード誌のコンテンツに変化はないかもしれないが、ハード面では変化を遂げようとしているのだ。セブンアンドホールディングスは、グループをあげて流通のオムニチャネル化を進めている。