「PRADAEXTENDS」が示したプラダの先進性【COLUMN】
同年4月2日に就任したラフはミセス・プラダ(ミウッチャ・プラダ)と9月に2021年SSウィメンズコレクションを発表。その直前7月に行われたミウッチャ・プラダ単独名義でのメンズコレクションはラフを迎えるためのプラダのプロトタイプともいうべき、ミニマルなスタイルを並べた。
プラダがラフを共同CDに選んだ理由はさまざまな背景が考えられるが、2018年にカルバン・クラインを退任してから自らのシグニチャーラインだけを発表してきたラフのタレント性とミレニアルズへの影響力をミウッチャが最も理解していたということだろう。ラフはジル・サンダーがプラダの傘下にあった時代(2005〜2011年)に、クリエイティブディレクターを務めており、互いは良き理解者でもある。
コロナ禍のなかラフとミウッチャ・プラダは21/22AW、22SSをデジタルで発表。ショー直後に世界各地のプレスや学生などをオンラインで繋ぎ、普段インタビューに答えることのないミウッチャが、ラフと並んで自身のクリエイションについて話すという映像は、コロナ以降のメゾンの変化を感じさせた。その最初のコレクションからリッチーは音楽を担当。ちなみリッチーはラフがディオールのクリエイティブ・ディレクターだった時も音楽を担当しており、2021年には同じくDJのdeadmau5と共同でNFTの新プロジェクトをスタートしている。