右目の視力を失った荒木経惟の『片目』。青山で展示も開催中【ShelfオススメBOOK】
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。
■『片目』荒木経惟
右目の視力を失った5年前から現在に至るまでに荒木経惟が撮影したモノクロ写真の中から50点を収録。
35mmモノクロフィルムにすべて縦位置で撮影されたこれら写真には、女性のヌード、しおれた花、奇妙な人形や玩具のほか、街路、車窓の景、自宅バルコニーから撮影した空や外景など、荒木のこれまでの作品においても主要なモチーフとなっていた、彼自身の日常を取り囲む私的な対象物が数多く含まれる。
荒木の身体や心理の現状を示唆するにとどまらず、喪失や死と切り離すことのできない生への独特のユーモアと、機知を織り交ぜた鋭い現実認識、そして生を捉えることへの強い意思表明を表した写真集となっている。
青山のラットホールギャラリーでは、現在同名の展覧会が開催中。
【書籍情報】
『片目』
写真:荒木経惟
出版社:RAT HOLE GALLERY
ソフトカバー/104ページ/210×150mm
発刊:2018年
価格:3,500円(為替により変動)