【日本モード誌クロニクル:横井由利】EC、イベントなどマネタイズの多様性を敷く森バザー--12/12後編
ShopBAZAARは、米版も積極的に推し進めている重要案件で、モード誌のブランドエクステンションとして、今後期待されていくだろう。現在Harper's BAZAARのグローバル・ファッション・ディレクターを務めるかリーヌ・ロワトフェルド(元Paris VOGUE編集長)は、モード界で最も影響力のある女性の1人だ。彼女は、米バザーのインターナショナルと年間6回モードページを作る契約を交わし、それを各国版に提供している。もちろん、日本版でも彼女のページが見られる。カリスマ的な彼女は、読者やクライアントの人気が高く、さりげなく存在感を醸し出すだけでおしゃれ度がワンランク上がるから、不思議な人だ。4月には彼女の私生活を追った映画『マドモアゼルC』が日本でも公開される。今年から隔月刊になったが、今後月刊化するのか訊ねると、まだその答えを出す段階ではないという。今は、バザーのターゲットとする女性達に、確実なイメージを定着させていく時期で、先を急いで内容が薄まった月刊にするよりも、しばらく様子を見ながら丁寧に作ることを選択するとの答えだった。
ただ、時世の変化を見極めて、速攻すべきときにギアチェンジできるよう準備を怠らないのが、森総編集長のこれまでのやり方だ。