CUNEは殺虫剤バルサンまみれ【14-15AW東京】
CUNE14-15AWコレクション
「川崎」「餃子」「キャベツの芯」……これらに通ずるのは何か?答えは安田裕紀によるファッションブランド「キューン(CUNE)」のコレクションテーマだ。
ファッションブランドでもモードでもなく“かろうじて服”を作っていると掲げるCUNE。3月17日にインスタレーション形式で発表した14-15AWコレクションはライオンが製造販売している燻煙式殺虫剤「バルサン」がテーマだった。会場も渋谷・道玄坂のラブホテル街という立地で人を食っている。
スモークが焚かれ、正に殺虫中といった様子(煙は無害)の場内には「バルサン」プリントに溢れた服達が並ぶ。今回はすべてメンズ。バルサンロゴは文字の大きさを変え、スーツやコートを覆う。ボンデージパンツには前キルトにプリントされ、パンクスピリットなどあったものではない。
バルサンの缶を並べたテキスタイルはアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶を彷彿とさせる。
一見悪ふざけのように取れるコレクションだが、洋服のディテールは凝っている。ニードルパンチで煙模様を施したヘリンボーンジャケットやバルサンのパッケージを閉じ込めたアクリルトグルのダッフルコートなど手が込んでいる。