くらし情報『悠久の歴史を紡ぐ、絹の物語~純国産絹、三煌の出来るまで~(後編)』

悠久の歴史を紡ぐ、絹の物語~純国産絹、三煌の出来るまで~(後編)

碓氷製糸農業共同組合は、その前身である撚糸・精錬所(生糸をよりあわせてタンパク質を取り除き絹糸にする)として昭和10年にスタート。昭和34年に製糸工場となる

(c) FASHION HEADLINE


■三煌の繭は糸が細い、だからゆっくりと巻きとる三煌の繭を質の高い生糸にするために製糸にもとことんこだわっている。生糸作りを担うのは、群馬県・安中市にある碓氷製糸農業協同組合だ。現在、国内では2社しかない機械繰糸製糸場の1社であり、昔から国内外の有名デザイナーや様々な工房からの依頼が絶えない技術力に定評のある製糸工場だ。組合長の高村育也氏は「通常の繭は、繭糸の太さが3デニールぐらいですが、三煌の繭は約2.3デニールとかなり細い。細い糸は、光沢が出るし染まりやすく発色もいい。だけど細いということは、通常の糸よりも切れやすいということ。だから繰糸速度を通常の7割以下に設定して、ゆっくりと巻きとるようにしています」と話す。
■三煌を始め、難易度の高い糸作りを手掛け続けるもちろん糸を巻きとるスピードが速いほうが、生糸を早く仕上げることが出来る。しかし生産効率よりも品質。「回転数を落とすことで糸の繊度、汚れ、節がないかの見落としがなくなる。相当な時間と手間をかけて糸を作っているからこそ、製品になった時に大きな差が出るのは当然なんですよ」と高村氏。機械への工夫はもちろんだが、工場には糸作り20年や30年といった熟練工員ばかり。

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