ファッションのももクロが生まれるまで【前編】--アイドルも時代を映す
30周年を迎えた同ブランドが2月18日から伊勢丹新宿店本館2階TOKYO解放区で「PINK HOUSE―flower shower・永遠の少女性―」と題したポップアップショップをオープンした。ももクロメンバーが春を告げるミューズとして選ばれたのだ。■ある秋の日のこと、デザイン画を持ってメンバーの元へ遡ること約1ヶ月半前、秋も深まった11月のある日のこと。スタジオでリハーサル中のももクロメンバーの元をピンクハウスのデザイナーと伊勢丹バイヤーが尋ねた。ピンクハウスがももクロメンバーをイメージして書き下ろしたビジュアル撮影のデザイン画を見せるためである。練習を終えた彼女たちが打ち合わせの場にやってきた。マネージャーが見守る中、メンバーに「ピンクハウスの春のイメージビジュアルをお願いしたい」と告げる。佐々木から「わぁ、ピンクハウス!ママが大好きなの、早く教えたい!」と歓声が溢れた。
メンバーたちも、デザイナーがメンバーそれぞれのキャラクターとピンクハウスが持つアーカイブや世界観から描き出した手描きのデザイン画を広げていく。彼女たちは時にため息を漏らしながら、目の前に広がるデザイン画を見つめていた。