くらし情報『ハルノブムラタ 2025年春夏コレクション - 研ぎ澄ます先に留めおく“動きと時間”』

ハルノブムラタ 2025年春夏コレクション - 研ぎ澄ます先に留めおく“動きと時間”

ハルノブムラタ 2025年春夏コレクション - 研ぎ澄ます先に留めおく“動きと時間”

ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)の2025年春夏コレクションが、2024年8月27日(火)、東京の国立新美術館にて発表された。テーマは「BUT THE IDEA, THE ESSENCE OF THINGS」。ショーは、ロシア出身の作曲家・ピアニスト、キリル・リヒター(Kirill Richter)の演奏のもとに行われた。

彫刻家ブランクーシに誘われて
衣服をまとうこと。削ぎ落とした先に立ち現れるその本質とは何だろう──今季のハルノブムラタにとって、その問いかけに答えるよすがとなったのが、20世紀を代表する彫刻家のひとり、コンスタンティン・ブランクーシであった。研ぎ澄まされたフォルム、時にアフリカ彫刻といった非西欧の芸術にも通ずる、その野生的な造形によって、ブランクーシは物そのものの概念を抉りだすことを試みたのであった。

デザイナーの村田晴信は、2024年秋冬シーズン、装いをミニマルに切り詰めることを通じて、むしろそれをまとう人間の温かみを浮かびあがらせようとした。翻って今季は、ブランクーシの彫刻のごとく極度に研ぎ澄まされた造形によって、人間のフォルムのエッセンス、そして身体が時間のなかで織りなす動きを引きだすことを試みるものであったといえる。

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