バルムング 2025年春夏コレクション ‐ 非現実で現実な事象
切り替えデザインのボーダーシャツや、迷彩柄のタイツ、ドットのぷっくりとしたシルエットのショートパンツなどが散見された。こういった複数の柄が1つのコレクション内で登場するのは初の試みとなり、その柄ひとつひとつにも様々なストーリーが込められている。
たとえば、ジャケットやシアートップスに描かれた柄は、バルムングのデザイナーHACHIの友人でありアーティストの村田実莉により描かれたもの。イルカやクラゲといった生き物、コンピューターで描いたりんごなどをメカニックでSF風のイラストに仕上げている。神秘的な生き物や禁断の果実というどこか宗教を連想させる偶像をモチーフとして採用することで、SNSに蔓延る誰かの信仰的アイデンティティや、社会の中に浸透する不思議な概念などを表現した。
メタリックカラーや蛍光色を差し込む
カラーパレットには、ブランドが得意とする薄くて白っぽい、堅い印象を与えるライトグレー、ブラック、ホワイトをベースに、シルバーのメタリックカラー、レッドやブルーといったビビッドな色彩、目が眩むようなイエローなどの蛍光色を差し込んでいる。閃光のようにジャケットやパンツを走るラインにはイエローを採用し、観客の目線を誘導させた。
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