ルイ・ヴィトン2025年春夏ウィメンズコレクション、フレンチファッションのソフトパワー
オブジェのような装飾も印象的だ。ミニドレスやジャケットに用いられたシアーな布地には、立体感のあるビジューを大小様々に並べ、繊細な生地の質感とは対照的な量感をプラス。ボックスのミニハンドバッグにも同様にビジューがあしらわれていた。
加えて、ハトメを全面に散りばめたかのようなメタリックなパンツや、マットなブラックのチェーンネックレス、きらびやかなスパンコールやビジューのフリンジスカートなど、その質感に集中を向けさせるような装飾が散見されている。まるで靴から羽が生えているかのような、フェザーだらけのシューズも目を存在感を放っている。
グラフィカルなテキスタイル
テキスタイルはグラフィカルなモチーフが多用されており、スカーフのように裾をぎゅっと絞ったブラウスやワンピースには、幾何学的なストライプ柄の生地を採用。ところどころかすれたような表情のツイードジャケットや、モノトーンでシックなフラワーモチーフをあしらったロングガウン、ヴィヴィッドなピンクやグリーンをアクセントに効かせた抽象柄のミニドレスなど、余韻を残していくようなテキスタイルの数々が目を引いた。
美しさと違和感を併せ持つローラン・グラッソの絵画を再解釈
コレクションのラストには、フランスのアーティスト、ローラン・グラッソによる《過去への探究(Studies into the Past)