映画『幸せなひとりぼっち』妻を失い傷ついた男の心を、隣人との出会いが変えていく
スウェーデンの60年代+北欧スタイル
60年代+北欧スタイルもキーワードの1つ。例えば、オーヴェの人生のすべてとなる妻ソーニャ。彼女のスタイルも北欧風の60年代ファッションに包まれている。スカーフの使い方、レッドなどポップな色使い、水玉や幾何学模様の洋服にも注目して欲しい。
そのほか、「サーヴ」「ボルボ」など数々のスウェーデンのヴィンテージカーが作品を彩る。オーヴェは「サーヴ」がお気に入り、そして「ボルボ」を完全敵視。一方、友人であるルネは「ボルボ」愛好家で、彼らのやとりもユーモアあふれて描かれる。
映画にあるような住宅街が、実際にスウェーデンにはたくさんあり、それらは60年代から70年代にかけて「文化住宅」として政府によって建てられた、とホルム監督は話している。
ストーリー
愛する妻を失い、哀しみにくれるオーヴェ。1人で生きていく人生に希望が持てず墓参りの度に失意を募らせていた。ある日、そんなオーヴェの隣にパルヴァネ一家が引っ越してくる。浴びせられる罵声をモノともせず、何かと問題を持ち込むパルヴァネにオーヴェは次第に心を開いてゆく。悪態はいつしか愛嬌になり、彼は愛する妻との思い出をゆっくりと語りだした。