「レオナルド×ミケランジェロ展」三菱一号館美術館で開催 - 2人の天才が描く、日本初含む65点を展示
彼らの作品を見比べられる貴重な機会、まずは本記事で予習して足を運んでみてはいかがだろう。
斜線の重なりによって濃淡を表すレオナルド
左利きのレオナルドは左上から右下へのハッチングが特徴的で、作品をよく見てみると、斜線の重なりによって濃淡が作られている。目玉作品のひとつ《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》を観察してみると、左眼の上瞼、目元、左頬、ほうれい線、口元などに鉛白によるハイライトが施されているとわかるだろう。
彼の絵画のもう一つの特徴が、性格と外見の呼応に目を向ける学問「観相学」に基づいた表現。《老人の頭部》はその逸作といえる。緻密に描写された口元を硬く結ぶ老人からは、彼の頑固さが浮かび上がってくる。また、《髭のある男性頭部(チェーザレ・ボルシャ?)》は同一のモデルを異なる3方向から描いた作品で、彼の絵画の他視点性が強調された作品とも考えられる。クロスハッチングで描くミケランジェロ
レオナルドとは対照的に、右利きのミケランジェロ。
彼はクロスハッチングという斜線を交差させる描き方をしていた。《<レダと白鳥>の頭部のための習作》は、彼の素描としては最も知られている作品である。