2019年11月26日 20:20
ヴァレンティノ 北京オートクチュールコレクション - ルネサンスと中国文化の交錯する“夢”の世界
上品なボリューム感であるだけにそのテクスチャーのきらめきは強調され、どこか異国情緒漂う雰囲気を演出している。
そしてドレスには、花の女神フローラさながらに、花々が咲き乱れる。華やかなピンクやレッドの薔薇の花は、西欧的なクラシックさを匂い立たせる。一方で様式化された花弁はゴールドやシルバーのきらめきをまとい、清朝権力者のきらびやかな装飾を彷彿とさせる。
そうして最後に現れるのもまた、フローラであった。しかし花は布地という平面に落とし込まれているのではない。シンプルに広がる網目状のドレスの表面には、花のオーナメントが数多と咲き誇る。花々は頭まで覆い尽くし、さて彼女は夢の花園から出てきたのか、あるいはわたしたちがそこへ迷い込んだのか。
2文化が混じり合う“夢”のなかへと、まだまだ誘ってやまないのである。
キモノ バイ ナデシコ24年夏ゆかた、ペイズリー柄&“マジョリカタイル”風柄の両面型染め