タカヒロミヤシタザソロイスト. 2021年秋冬コレクション、“終わり”から始まる新たな自由を求めて
タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)は、2021-22年秋冬コレクションを発表した。
終わりは始まり、新たな感情の再構築
象徴的な自由が崩壊した虚構のような現実世界の中で、デザイナーの宮下貴裕は“終わりはスタート地点”だと定義する。何かが終わりを告げた時、その意識の下で新たな感情の追求が始まり、新しい何かを再構築し始める。抑圧された現代の中でも決して変わることの無かった、宮下の洋服に対する思いに突き動かされるようにして生み出された今季のコレクション。洋服がまた新たな進化へと向かっていく兆しと、人々の感情の新たな芽吹きを感じさせる。
ビートルズの映画『Help!』に見る自由と不自由
クリエーションにあたり、最初にイメージしたのはビートルズの映画『Help!』。映画の中ではビートルズが自由に遊んでいるようにも見える一方で、当時多忙を極めていた彼らの不自由さも感じ取れる。宮下は“五線譜”を音楽の“制約”に見立て、その中で自由に動き回りメロディを奏でる音符のイメージをデザインに投影した。
“抑圧の象徴”として用いられた拘束具
その五線譜を表すのが、“抑圧の象徴”ともいえる拘束具だ。