2021年3月29日 16:20
「ロイヤル・アッシャー」ダイヤモンドカッターの軌跡展が銀座三越で、“美しき輝き”までの歴史
そして「カリナン」は、最終的に9個の大きなダイヤモンドと、複数の小さなダイヤモンドに姿を変えた。
英国王エドワードⅦ世より寄贈された銀杯
「カリナン」カットに成功した偉業を称えるため、ファッションに精通したプリンスとして知られる、英国王エドワードⅦ世が制作した銀杯が、今回の展示の目玉となる。この銀杯には、感謝の意とともに、大役を果たしたアッシャー社4名の名が手彫りされた。シャンパンクーラーとしても機能し、シャンパンフルートを放射線状にセットできる。
「美しく輝くダイヤモンド」を生み出すためのツールも展示
当時、コンピューターやレーザーカット技術もなく、カットや研磨は、熟練した職人が蓄積した経験と知見をもとに、極めて原始的な技法により手作業で行っていた。その職人たちが研磨やカットの際に用いた道具の数々も展示される。
展示品は、「カリナン」を調査するために使用した100倍の拡大ルーペ、「カリナン」カットで使用された金属製スティック及びダイヤモンドを固定する土台、最初にカットを試みた際、あまりの硬さに折れてしまった金属製の刃など貴重なものばかりだ。160年以上に亘り、「美しく輝くダイヤモンド」