2021年10月7日 16:00
ノワール ケイ ニノミヤ 2022年春夏コレクション - 陰影がもたらすノワールの世界
基盤にあるのは厳格化された服の構造
服を成す軸には、あくまで厳格なシルエットが用いられている印象だ。コルセットのようなシルエットや、チュールを先端に踊らせるボンテージベルトがその好例。実態のない影が新しい黒をもたらす創造のための基盤には、あくまで律されたものの存在がなければならないのだろう。でなければ、存在の確実性は生まれない。奥深さを追求するためには、その根底にあるものを追求していかなければならないのだと、ある種服に対する深化を感じさせる。
そして、そのうえで生まれた今季の極限の美が、金属の線だけで完成した繊細すぎるドレスに宿っている。骨組みだけで完成されたドレスは、布で覆わなくとも、細い線が生み出すシルエットと陰影だけで服のエネルギーを伝藩させる。この上ない儚さと強さをもった、エレガントな1着だ。
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