2022年12月14日 18:30
ドリス ヴァン ノッテン 2023年春夏ウィメンズコレクション、服をまとう感覚的な“喜び”
ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2023年春夏ウィメンズコレクションを紹介。
闇から光へ、異なる性質のコントラスト
2020年以来、2年半ぶりにショー形式で発表されたドリス ヴァン ノッテンの2023年春夏ウィメンズコレクション。色彩や質感、造形のコントラストを通して、闇から光へと向かっていく瞬間のような、移ろいゆく感覚を表現。性質の異なる要素が作用しあうことで生まれる躍動、服をまとうというフィジカルな感覚の“親密さ”や“喜び”が、コレクションを通じて描き出されている。
“ブラック”の抽象性、際立つ造形
今季のコレクションは、主に3つの要素で構成されている。まず1つ目は、深いブラック1色で作られたピースだ。所々布地をつまんだようなフォルムのオーバーサイズジャケットをはじめ、ウエストをシェイプしたテーラードジャケットやドレスなどが登場。ブラックの持つ抽象性によって、彫刻的なフォルムがより一層際立っている。
また、ドレスの肩やジャケットの裾から伸びる極端に長いフリンジ、うねるようなフォルムを描くフリルやプリーツなど、動きを持たせるディテールも目を引いた。ボタンやブローチ、ネックレスとしてブラックのルックを装飾する有機的な真鍮パーツは、その落ち着いた輝きによって、デザインに静かなリズムの変化をもたらしている。