美智子さま「帽子に込められた『訪問先への愛と祈り』」
「笹をどうデザインしようかと迷いましたが、いくつかサンプルをお持ちすると、『こういうふうにしたらどうかしら』と、皇后さまもアイデアを出してくださって」
天皇陛下退位後に美智子さまからバトンを受け継がれる雅子さまは、欧子さんと同年代。同じく“伝統を継承する立場”として、欧子さんは雅子さまを、どうご覧になっているのか。
「私とは、受け継がれるものの大きさが全く違いますから……。ただ、雅子さまはシンプルなものをお好みですが、背もすらっとお高いので、華やかなお帽子もお似合いになると思います」
欧子さんの帽子作りを、受け継ぐ若い芽も着実に育っている。
’18年10月、青山のギャラリーでは、欧子さんの長女、早姫さん(26)と長男、翔さん(20)が立ち上げたブランド「saki et show」の新作展示会が行われていた。室内に降り注ぐ秋の光に照らされた帽子は、どれもスタイリッシュでかぶってみたくなる。
長女の早姫さんは言う。
「祖父や母が、美智子さまや皇族の方々の帽子を作っているということは小学生くらいから知っていました。
両親はひと言も言いませんでしたから、テレビで見て、『あれ、うちで作っている帽子だ』みたいな(笑)。