桂文枝が明かす母との生活「子どもの頃の運動会はイヤで…」
そんな母が学校に来る運動会について、「この日だけはとても嫌だった」と文枝さんは吐露する。
「日ごろの母親業の後れを取り戻そうと思ったんでしょう。目いっぱいのおしゃれをして、たいそうなごちそうをお重に詰め、仕事仲間を2~3人引き連れてきて、ゴザを敷いて陣取るんです(笑)。運動音痴の私は足が遅く、徒競走はいつもビリ。それやのに、ほかの子どもより豪華な弁当が広がるのが嫌やったんです」
これまで文枝さんが明かしてこなかった母の素顔、そして親子の歴史。いま、そのことを語ろうと思った動機をこう語る。
「現代の母親は、どうも生きづらさを抱えているのではないかと映ったんです。共働きでも家計に余裕がない世帯は多いなか、虐待などの痛ましい事件も連日、報道されています。
“完璧な親”を目指しすぎて、親子関係が崩壊してしまうケースもあるんやないかと。それに比べれば、母はけっこう自由に生きてきたと思うんです。母のように、『ちょっとええ加減』なくらいが『ちょうどええ加減』の子育てかもしれませんよ、と。それでも、ひとり息子はこんなに立派に育ちましたからね(笑)」
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