80歳の料理研究家「まだ人生花咲く!」前向きでいる理由
ならば、せめてテーブルの上だけはと思って、いつも箸置きとランチョンマットを手作りして、自分の世界を演出していました。みんな、いろいろ理由をつけてやらないけれど、今できることを探せばいいのよ」
このポジティブな性格は、子どものころからだったと振り返る。
「“陽子”という名前のとおり。勉強はできなかったけれど、明るい子でした。同級生を笑わせるのが大好きだったわね。顔が大きいとか、背が低いとか、それなりにコンプレックスはあったのかもしれないけれど、毎日を楽しむことに忙しすぎて、深く悩む暇なんてなかった」
足が太いことに気づいたのは、50歳になってから。
「遅いでしょう?集合写真に写る自分の姿を見て『あれ?』って(笑)。でも、年をとればなおさら“見てくれ”じゃないし、今はそれさえトークのウリですよ」
いつでも、明るく豪快。
けれどその一方で、じつはとても心配性の面があり、そのおかげで今の自分があると自己を分析している。
「学生時代、全日本のシードに入るテニス選手だったんです。でも、練習不足を自覚していて、試合ではいつも不安で仕方なかった。結果も出せなかった。準備がいかに大切か、そのときに学び、本当は気が弱い自分も思い知りました」