2019年5月8日 11:00
98歳ピアニスト室井摩耶子 反対押し切り90歳超えて叶えた夢
本誌5月7日号にて、人生100年時代を生き抜くために「元気の秘訣を」教えてくれた大正生まれの女性たち。いつまでもエネルギッシュに活躍する彼女らが、「言い残したことがある!」と語り始めたのは、新時代を迎えるにあたっての、社会、そして女性たちへの“激励メッセージ”だった――。
「私は、人それぞれ、さまざまなものを詰め込む“人生のずだ袋”を持っているってイメージしています。いいことも悪いことも、全部その中に入れて、生きている。年齢を重ねるごとに袋の中は膨らんで、熟成されて、深みが出てくる。そう考えると、悪いことや失敗だって、人生の糧になると思えますよね」
朗らかにほほ笑むのは、最高齢の現役ピアニストである室井摩耶子さん(98)。彼女の“ずだ袋”には、90年以上に及ぶピアノ人生が詰め込まれているという。
「ピアノを習い始めたのは、大正から昭和に時代が変わるころ。
昔は、芸事を始めるのは6歳といわれていて、父は『昭和になったのだから、お琴を習うのも』と、ピアノを買ってくれたんです。それが、昭和天皇ご即位を記念したモデルで、譜面台に鳳凰が彫ってあるもの。いまも九州の調律師の方が持っているそうです」