車手放し自転車購入…免許返納者が明かす「こんなに得した!」
車より移動時間がかかるが、不便さを感じたことはないと言う。
「車なら30分で行けたところを、自転車で1時間かかっても、極端に生活が不自由になることはない。高齢者には、時間はたっぷりとありますから(笑)」
’16年7月に設立された「調布高齢者免許自主返納推進市民会議」は、高齢者ドライバーが抱える問題を踏まえつつ、免許返納にまつわる提言を、行政などへ積極的に行っている。前出の岡田さんが解説する。
「たとえば、免許更新制度の変更。高齢者の免許更新時の講習は、意外に審査が甘いんです。そこで、ドライブレコーダーを使い、運転技術を機械で点数化することで審査を厳しくし、規定の点数に満たなかった人には免許返納を勧告するようなシステム作りなどを提案しています。
同市民会議の山添登代表(84)は、最後に力強くこう訴えた。
「返納を決断する重要なポイントは、返納後に高齢者が不安なく暮らせるための公共のインフラ整備とサポートが、どれだけあるか。都内ではタクシーを使って移動しても車を手放したほうがおトク、という話がありましたが、地方でも気軽にタクシーやバスが利用できるように、行政が環境整備を進めていくことが急務です」