2020年4月2日 15:50
樋口恵子さん87歳に学ぶ 人生100年時代の「3つのショク」
人間が生きるうえで持つ、「ごはんを食べたい」「外に出たい」というごく素朴な欲望が、年をとると、低下、枯渇すると樋口さん。
「5分歩くのも大変で、肉体的にも精神的にもヨタヨタヘロヘロ。私はこれを“ヨタヘロ期”と名付けました。この時期に大切なのは、自分がヨタヘロ期にいることを自覚し、何事にも『エイヤッ!』とかけ声をして取り組むことです」
そして、樋口さんは「ヨタヘロ期」には3つの「ショク」を持つことが大事だと提案する。
まずは“食”。
「もちろんこれは食事を指しますが、ただ食べるだけでなく、おいしく楽しく食べるということ。高齢になるほど食欲は落ちるので、私は親しい助手や関係者を“ごはん友達”にして、週に2〜3度は食事をしています」
次に“触”。
「コミュニケーションです。
高齢になると社会と切り離されがちですが、それも自分の発想しだいではないでしょうか。『自分が社会に出られなくなったら、逆に社会を呼び込めばいい』と私は思います。高齢者仲間に、家にあるものを持ち寄って集まってもらい、趣味の会や勉強会をしてもいいし、ただおしゃべりをするだけでもかまいません」
3つ目が“職”。
「さいわい、私は今でも複数の仕事を持っているので、週の半分は外に出かけています。