豪雨とWパンチで熊本はゼロに…コロナで財政調整基金がピンチ
国も財政的に厳しくなり支援が滞ってしまえば、福祉や教育などの財源にも影響が出る。突発的な災害があっても対応できないことも考えられます」(佐藤教授)
財政調整基金ワースト1位は、貯金残高がゼロの熊本県。県の担当者は語る。
「今年7月の豪雨災害への対応で、財政調整基金を含めた財政調整用の熊本県の基金(貯金)残高はゼロに。感染拡大がおさまらないコロナ対策を拡充したいが……国の強力な支援が欲しいです」
2位となった京都府の財政調整基金の残高は、’19年度末と変わらず2,000万円。ほとんど底をついた状態だった。
「府の方針として貯金として財政調整基金を貯めこむことよりも、その分、早急に府民サービスに対応してきました。
医療提供体制の整備や休業要請を受け入れた中小企業支援などのコロナ対応には一般財源や地方創生臨時交付金を充てています」(京都府担当者)
なかには財政調整基金をほとんど取り崩していない県もある。17位の岐阜県は、県庁舎を建て替える目的で貯めていた特定目的基金を使い、コロナ対策の費用をひねり出している。
20位の千葉県と21位の埼玉県も“貯金”には手を付けずに、特別会計から100億円借り入れ、コロナ対策を実施しているが……。