2021年4月8日 06:00
介護現場の怒り「厚労省“宴会課長”はセミナー開催を断ったのに」
全国の介護施設でクラスターが発生。沖縄県の施設には自衛隊が投入された(写真提供:防衛省統合幕僚監部)
「介護報酬が改定されるので、A課長に地元に来ていただいてセミナーを開いてもらおうとしたんです。でも、コロナを理由に、断られてしまって……。そしたら今回の報道でしょ。われわれのためにセミナーはできないけど、飲み会はできるんだと驚きましたよ」
そう語るのは、西日本の地方都市で老人ホームなどを経営する社会福祉法人の理事長だ。厚生労働省の職員23人が宴会を開いていた問題が全国の介護事業者に大きな衝撃を与えている。じつは宴会を行った職員が所属する老健局は高齢者医療や福祉などを担当する介護事業の所管部署だ。
宴会を主催したA課長は、介護報酬に関するセミナーへの出席を介護事業者から求められたが、新型コロナウイルスが感染拡大していることを理由に断っていた。にもかかわらず、宴会には興じていたのだから、呆れるほかない。
訪問介護業を行っている「でぃぐにてぃ」(東京都)代表の吉田真一さんはこう話す。
「この前、5年間働いてくれた職員が退職したんですが、送別会もしていません。昨年9月、経営陣のひとりがコロナに感染したこともあって、慎重にならざるを得ません。