2021年5月1日 11:00
豊洲で腕ふるう95歳のピザ焼きばあば「具材は採算度外視で!」
スズ子さんがピザ作りを始めたのは20年前。なんと75歳を過ぎてからだ。一人娘で、現在トミーナのオーナーを務めている冨山節子さん(73)夫妻が、築地市場でイタリア料理店を経営していたことがきっかけだった。
「娘が忙しく仕事をしていて、私が2人の孫の面倒をみていましたが、孫たちも大きくなって手が離れたころ、店が人手不足と聞いて。それで、私から『手伝おうか』と声をかけたんですよ。それまでピザを焼いたことはなかったけど、おやきを焼くようなものじゃない、って(笑)」
私にもできると思った、と笑顔で語るスズ子さんだが、節子さんもその“腕前”には太鼓判を押す。
「母が作るピザは、ふんわりしていながらさっくりしているんです。イタリアで修行した私でもこの食感は出せません。
年をとったことで力が出なくなったことが、逆にいいのかも。ピザ生地を優しく延ばしていくから、ほどよい厚さになって、水分が残ってふっくらとなるのでしょう」
本誌記者も、スズ子さんが焼いた「海鮮ピザ」を実食。エビ、ホタテ、ムール貝、アサリなど新鮮な具がたっぷりのせられたピザは、「もう1枚!」と言いたくなるような絶品!
「母は適当に作っていると言っていますが、毎日、自分で焼いたピザを試食しながら、研究を続けているんですよ。