“過剰なまでの虫嫌い”増加の理由は「感情の誤反応」…東大院が分析
人が感染症を防ぐために役立つように進化した感情なのだという。
虫嫌いの人が、虫と出くわしたときに抱く嫌悪の感情は、感染症などから身を守るものと同様のものなのだ。
「嫌悪という感情は、自己防衛としてとても大切なものです。とくにこのコロナ禍で、感染症を防ぐためにも重要です。とはいえ、現代の人が接する虫のほとんどは感染症とは直接つながらないものばかり。ゴキブリもたしかに不潔な環境に棲息しているかもしれませんが、病気を介する感染症のリスクが特に大きな虫ではありません。本来、私たちがもっている、感染症から身を守る嫌悪という感情が、都市化による急激な環境変化によって、誤反応を起こしていると考えられるのです」
なぜ誤反応を起こしてしまうのだろうか?
「よくわからないものを見たときは嫌悪する、逃げる。感染症から命を守るように、小さな虫を見ただけでも、過剰なまでに避けてしまうのです」
誤反応であれば、虫嫌いはそう大した問題ではないのだろうか?
「虫嫌いが増えてもいいのではないか──と思っている人は、けっこういると思います。
しかし、虫は、人間が生きていくうえで非常にメリットが大きい存在。農作物においても、虫がいないと花粉の媒介ができません。