2021年12月4日 06:00
40年来の盟友・根本敬が振り返る! 蛭子さん「無意識過剰」伝説
これまでのテキトーな絵じゃなくて、しっかり労力をかけて仕上げた蛭子さんの作品にはそれこそ100万円払ってもいいという人がいますよ」
そんな根本さんの言葉に、突き動かされるようにペンを動かす速度が増す蛭子さん。
〈狂気の漫画家〉から〈お茶の間の人気者〉になったことに、寂しい思いをしている人は少なくない。根本さんはその代表格だ。
「蛭子さんのすごいところは、人間の基本である『自我』と『自意識』というのが欠落していること。つまり無意識過剰なところ。理想もプライドもない。見栄を張る、自惚れることもない。だから、漫画やイラストを描いても、いつかこういう作品を描きたいとか、目標や夢、製作欲が一切ない。
金さえもらえたらいい。そんな世にも珍しい無意識過剰の人間だからこそ、自意識過剰な人たちばかりのテレビの世界で人気ものになったんでしょう。でも蛭子さんの才能はやっぱり絵で発揮してほしいんだよね」
〈金さえもらえたらどんな仕事も引き受ける〉〈葬式で笑ってしまう〉〈自分の子どもの成長に興味がない〉〈蛭子さんのサインをもらうと不幸になる〉──根本さんは数々の蛭子さん伝説の発信元でもある。そんな伝説をまとった“タレント・蛭子能収”はさらに人気を博していった。