2022年2月28日 11:00
アサリだけじゃない…「国内産」のイメージが独り歩きする食材
これまでも知らないうちに、中国産のアサリを国内産と信じて食べていた可能性があるのです」
産地の偽装といえば「新潟産コシヒカリ」や「松阪牛」など“ブランドもの”の産地を偽って販売するという事例が多かったがーー。
「ブランド化しているということは、味や風味がほかの産地の食材と十分に差別化できています。そのため産地偽装をされても、食べればすぐにバレてしまうため、発覚することも少なくありませんでした。しかし、アサリを食べて国内産かどうかを判別するのはとても困難でしょう」
■外食や加工食品では産地はわからない
国産アサリの漁獲量は年4,305トン。農林水産省の調査結果をみると、全国の小売店での販売数量は年間1万2,000トンほどになる。足りない分は輸入に頼ることに。総輸入量3万6,109トンのうち中国産アサリは2万6,000トンを占めている。
ちなみに3月3日のひな祭りに食されるお吸い物のハマグリも、国内の生産量を輸入量が大きく上回っており、その9割を中国産が占める。
「みそ汁をはじめ、和食に用いられるイメージが強い食材でも、国産だけではとうてい需要を賄いきれていない。実際は外国産がほとんどを占める食材は少なくありません」