2022年2月28日 11:00
アサリだけじゃない…「国内産」のイメージが独り歩きする食材
(河岸さん)
悪質な偽装がされていなければ、単一の食材は店頭で産地表示をしっかりチェックすることができる。
だが、産地表示がない外食や加工品となるとお手上げかもしれない。高原の有名観光地での体験を語るのは都内在住のA子さんだ。
「観光客でにぎわうおそば屋さんで山菜そばを食べたのですが、後から地元の人に、その店で使っているそば粉も山菜に使われている水煮のわらびやぜんまいもすべて中国産だと教えられてガッカリしたことがあります。別に国内産だとうたっていたわけではないのですが。帰りに土産店で梅干しを買いましたが、産地表示を見たら原材料の梅が中国産とあって……」
旅先で郷土料理、ご当地メニューなどを見かければ、それには地のものが用いられていると考えてしまいがち。だがA子さんの例にある山菜は、生産量自体が少ないうえ、収穫される期間も極めて短い。そのため、国産を口にできる機会はそう多くないようだ。
最後に河岸所長がこう語る。
「アサリは、2カ所以上で育てられた場合、期間が長いほうを食品表示の『産地』にすることが可能です。たとえ中国で生まれたアサリでも、日本で養った期間のほうが少しでも長ければ国産品となるなど、とてもいいかげんです。