2022年5月26日 15:50
老々“相続”で揉めない秘訣 高齢の相続人が認知症の場合は?
【2】法定相続人がすでに他界
「法定相続人である配偶者と子どもがすでに亡くなっている場合、孫がいれば、相続は孫に引き継がれます。亡くなっている子が複数いると相続人が増え、20人、30人というケースも。全員で遺産分割の話し合いをして、手続きを進めるのは容易ではありません」
【3】相続人が行方不明
「私の担当したケースで、何十年も前に音信不通になったお子さんがいました。所在地を判明させ、やりとりできるまで数年がかりでした。さらに相続の手続きをしている途中で相続人が亡くなってしまい、手続きが初めから、となるケースも」
相続手続きが何年も進まず、空き家が長年放置され、銀行口座が凍結され、財産分与がままならない事態にもなるという。
回避策として「『遺言書』を作成しておくこと」と塩崎先生は説明。
「自分は誰にどの財産を、どれだけ残したいのかを考えて遺言書を作成しましょう。その際に遺言執行者を指定しておけば安心です」
遺言書は公正証書で作成するのが最善だが、それが難しい人も多い。
そこで、今回は自筆で遺言を残す方法を教えてもらおう。
「『全財産を妻○○に相続させる』という文言でも可能ですし、お世話になった知人に財産を渡したいとか、寄付することも可能です」