2022年10月21日 15:50
岸田首相 大人の「学び直し」支援に1兆円…一方、大学生の学費負担は世界4位
「将来より今を何とかしてくれ」という方が多いのではないでしょうか。
■国民の生活のために今、必要な政策なのか?
もう1点、子どもの教育費も問題です。所信表明演説と同じ3日に、OECDは日本の学費負担の重さを指摘しました。日本は学費の52%を家計が負担し、国などの公費負担33%より重いのです。家計負担の重さはコロンビア68%、チリ57%、イギリス54%に次ぐワースト4位!国公立大学の授業料もイギリス、アメリカなどに次ぐ世界5位の高さです。今、学生のいる家庭は「親の学び直しより、子どもの教育費を何とかしてくれ」と思うのでは。
繰り返しますが、学び直しは大切です。ただ優先順位を考えると、多くの国民が「ほかにもっと大切なことがあるだろう」と思うような政策を、高らかに宣言する岸田首相は、国民の生活が見えていない。
見る気がないのかもしれません。
最後に、私には危惧があります。というのも学び直しにはすでに「教育訓練給付制度」があり、看護師など専門資格の取得には「専門実践教育訓練」で費用の最大70%が補助されます。また45歳未満で失業中、初めての教育訓練などの条件を満たせば、以前の給料の最大80%が「教育訓練支援給付金」