2023年1月10日 06:00
老後資金の不足金“夫婦2人”も“おひとりさま”も1500万円を目安に!
2019年に物議をかもした老後2千万円不足問題は、総務省の家計調査から、高齢夫婦の毎月の赤字を約5万5千円と算出。老後を30年として単純計算したものだった。
ただ2020年にはコロナ禍の自粛生活で支出が減り、一律10万円給付などもあって、統計上の赤字はいったん解消。2021年も支出の少ない傾向が続いた。しかし、コロナ禍3年目の2022年は全国旅行支援が実施されるなど、“自粛明け”が浸透し、再び消費を楽しむ生活が戻りつつある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはこう語る。
「そのうえ、2022年は2万品目以上の食品が平均14%、電気・ガス代は20~30%上がりました。物価高は2023年以降も続きます。
もともと年金は物価が上がると、支給額も上がることになっていましたが、今は『マクロ経済スライド』という仕組みで上昇が抑制される。物価が上がっても、年金額は増えないのです。必要な老後資金を見定め、生活コストを見直さないと、老後破綻の危険性もあるのです」
そこで本誌は最近の家計調査(2022年1~10月)から高齢者の収支を算出。共に暮らす人数や地域、住居の種類などのライフスタイルに注目して、現時点で公的年金だけだと不足する老後資金の額を試算した。