2023年2月5日 06:00
『夢芝居』はいいかげんに作ったら大ヒットしてびっくり 異色のシンガーソングライター小椋佳
「親しくなった所長が、いつもコーヒーを出して、サボらせてくれるんですよ。そのとき、窓際に鉢植えが飾ってあって、女性職員に『この花、面白いね。なんて花?』って聞いたら、シクラメンていうんですよって」
この花で歌一つ作ろうと思い立ってできあがったのが、布施明が歌う『シクラメンのかほり』だ。
「こんな調子で、年間50曲、多いときで100曲は作っていました。昔は、曲が湧くようにして出てきたんですよ」
その曲作りも、独特だ。
「ボクの場合、ピアノもギターも弾けないし、楽譜も読めない。だから、詞を書いて、テープレコーダーを回して歌っちゃうだけです。録音した歌を、楽譜に書き起こしてくれる人に頼んで、あとはアレンジャーにまわって、アレンジがつくという流れ」
梅沢富美男に提供した『夢芝居』のキャッチーなイントロは、アレンジャーが作ったものだ。
「最近、梅沢さんが出演するレモンサワーのCMでも使用されて、ボクのところに印税がウン百万円入りましたが、あのイントロ、ボクは作っていないんだよなあ(笑)」
同曲も、小椋さんの飄々とした性格のために生み出された。
「ゴルフの約束がキャンセルになって、日曜の予定が空いたんで、歌作りを片付けることに。