2023年2月16日 06:00
発がん性物質PFASによる水汚染が全国で…危ない街は114カ所も!身を守る方法は?
PFASは自然界に存在しない物質なので、工場や廃棄物処理場、米軍基地など、なんらかの形でPFASを使用している施設が汚染源となっている可能性が高い。すでにアメリカでは、米軍や企業が市民から訴えられるケースが続出している。
「アメリカではコレステロール値が高くなる脂質異常症や、甲状腺疾患、子どもの低出生体重、腎臓がんなどが懸念されています。これらの健康被害が生じる可能性があるとわかったのも、PFASを使用していたデュポン社が’02年に、オハイオ州の住民から集団訴訟を起こされたのがきっかけでした」
実際に、最新の研究ではPFASを摂取した人では腎臓がんのリスクは2倍以上高まることが明らかになっている。
一刻も早く改善策を打ち出すべきだが、10年以上前から規制が進んでいる欧米と比べて日本政府の対応は鈍い。
「欧米では、’10年ごろには暫定的な目標値が定められていましたし、アメリカでは、飲料水だけでなく土壌を含めて農産物に対するモニタリング支援を行っています。一方日本は、海外での規制強化を受けて、今年1月からようやく専門家会議などで数値目標の“検討”が始まったばかりなんです」
規制する方向に進んでも、「日本の場合、米軍基地周辺の汚染源の特定や除染が極めてむずかしい」