2023年5月11日 15:50
手数料で2000万円中抜き、元本半減…銀行が勧めた”安全”投資で老後資金消滅!実例5
(写真:PIXTA)
「(資産が)紙切れになりました」
自身がコメンテーターを務める『イット!』(フジテレビ系)でそう憤ったのは青山学院大学駅伝部の原晋監督(56)だ。投資していたスイスの金融大手クレディ・スイスが経営危機に。同社が企業買収されたことで、発行していたAT1債が無価値になった。老後に年1回の旅行を楽しみたい、と貯蓄してきた原監督。損失は“サラリーマンの年収数年分”だという。
「原監督は、証券会社の営業マンに勧められるがままローリスク商品だと思い購入したそうですが、AT1債は複雑な仕組みのハイリスクな金融商品で、投資の初心者が手を出す代物ではありません。金融機関が勧めてくる、一見安全そうな投資にも、素人がハマる落とし穴はあるのです」
そう話すのは『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム)の著者で、シニア投資コンサルタントの西崎努さんだ。
貯蓄が増える50代や、退職金が入る60代は金融機関から“狙われる”タイミング。
今回は、この世代が陥った投資の失敗の数々を教えてもらった。
【1】分配型投資信託でいつの間にか元本が激減!
約5年前、Aさん(60代)は、知人の勧めでアメリカの不動産投資信託(リート)