2023年6月8日 11:00
震度6で原子炉倒壊の恐怖 福島第一原発内部の「土台」ボロボロも、東電は「問題ない」と楽観視
「東電は、〈’22年3月に福島沖で起きたマグニチュード7.4の地震などにも耐えたから〉というだけで、こうした評価を出しているんです。つまり、“臆測”にすぎません」(前出・上澤さん)
要するに、次に起きる地震に耐えられる保証は一切ないのだ。
元三菱重工の技術者で、伊方原発3号機の建設機器班長を務めた森重晴雄さんも東電の評価は次のような“噓”があると指摘する。
「東電は、〈“周辺構造部材”があるから圧力容器が倒壊することはない〉と言っていますが、周辺構造部材は、作業員が定期点検などに使用する足場にすぎず、重さ440トンもの圧力容器が寄り掛かれば外側の格納容器を突き破り、放射性物質が放出されてしまいます」
■圧力容器が使用済み燃料プールに……
さらに、東電は〈圧力容器が落下する可能性はあるが、インナースカートという鉄骨に阻まれ30センチほどの落下で留まる。圧力容器に大きな破損は生じず、周辺の公衆に著しい被ばくのリスクは与えない〉と主張しているが、森重さんは「ごまかしだ」と続けた。「30センチも落下したら大惨事になる可能性があります。圧力容器は真っすぐ落ちるわけではなく、支えているペデスタルのコンクリートの欠損が大きい側に傾いて落ちる可能性が高い。