尾上菊之助に不倫報道 亡き義父・吉右衛門さんへの重すぎる裏切り「天国でどれだけ悲しまれてるか」
’19年の秀山祭では『寺子屋』で、菊之助は義父・吉右衛門さん演じる松王丸の妻役を演じることに。同部隊では、5歳になった息子の丑之助も菅秀才として出演している。当時、菊之助は「毎年、岳父のそばに出させていただき、一つ一つご指導いただいて、財産をいただいている気持ち」と、義父と共演する喜びや学びの多さを語っていた。
吉右衛門さんにとっても、娘婿、そして孫との共演はこのうえない喜びだった。
《孫が出て、義理の倅と一緒にやるというのは、その芝居をする情のうえにおいてやりやすいことは確かですね。(略)伝統というものがあるからこそ、誰それの倅で何代目だとかっていう、そういう目を通して芝居をご覧くださる。それも伝統歌舞伎のひとつの面白さじゃないかなと思います》(『演劇界』’20年10月号)
「吉右衛門さんは、菊之助さんに『僕にわかることだったら、全部、教えるよ』と、共演を通してたくさんのことを教えてくれたそうです。菊之助さんが稽古をお願いすると丁寧につきあってくれて、台詞の言い回しなど、できるようになるまで何度も何度も聞いてくれるのだとか。
吉右衛門さんには跡取りとなる息子がいませんでした。熱心な指導には、娘婿の菊之助さんに、初代・吉右衛門の芸を受け継がせたいという思いもあったのではないでしょうか。