最低賃金1,002円に引き上げも「手取り」増えず 零細企業の倒産危機も
いっぽう、同時期の日本の平均は6.5%、実質では0.7%にとどまり、世界の3分の1にも届きません。たとえ1千円超が実現しても、諸外国との差は埋まらないでしょう。
■今年はすでに倒産67件前年同期の2.3倍
原因は、国が給料アップのための有効な政策をとらないこと。今の賃上げ税制は、従業員の給料を一定以上上げたら、その年は給料上昇分の最大40%法人税を下げるというものですが、そもそも日本の企業の約7割は赤字で、法人税を払っていません。赤字企業に法人減税のメリットはないのです。
また、法人税を払う企業にとっても、給料はいったん上げると簡単に下げられないもの。だから法人税の1回減額くらいでは、給料アップの英断は下せません。
これらの結果、給料アップが遅々として進まないのです。
私は、給与アップに「同一労働同一賃金」の厳格化が有効だと思います。実現すると、非正規で働く人の給料が上がり、楽になる家庭も多いと思います。ただ経団連など雇用する側の反対が根強く、国は決断できません。国には雇う側の顔色ではなく、生活に苦しむ労働者をよく見てほしいものです。
最後に、最低賃金の上昇で1つ心配があります。