“会社員のカラオケ大会”にRG、綾小路翔ら著名人も熱狂!「新宿三井ビルのど自慢」に魅了される人が続出する理由
どうも過熱して客が入りすぎて警備上の問題になると思ったようで、2~3回前から逆に控えるようになったみたいです」
大会の常連だった「株式会社マクロミル」が今年5月にテナントから退去し、のど自慢ファンに衝撃を与えた。このように参加すればするほど、楽しみ方も増えていくという。
「本当に取引先でも大学の同級生が出てるわけでもないのに、ずっと見続けていると物語のうねりがあるんです。自分の努力ではどうにもならない転勤であるとか、テナント自体が退去するとか、同じビルで芸風が受け継がれていくということもありますね」
これまで8回の大会を見てきた下井草さんが、特に思い出に残っている出場者としてあげたのが――。
「行き始めて最初か2年目だったと思うのですが、ものすごく印象的だったのが、ある建設会社の近藤次長という方。その年の10月に定年退職するということで、会社の応援団が黄色のタオルを観客席に配り始めて、それに『ありがとう、近藤次長。何十年の感謝を込めて応援します』みたいなことが書かれていたんです。近藤次長は決してうまい人ではなく、素人っぽい感じで郷ひろみの『お嫁サンバ』を歌っているんですけど、そこにシュレッダーの紙吹雪が舞うところを見ていたら、本当に涙が出てきて。