長谷川初範 『101回目のプロポーズ』は回想シーンだけの出演予定でした
そんな二人を見て、監督が手持ちの8ミリビデオカメラを回し始めたんですよ」
無事に出番を終えたが、第3話の放送が終わったころに、フジテレビのプロデューサー・大多亮氏から連絡が入った。
「大多さんと脚本の野島伸司さんが相談しながら、達郎(武田鉄矢)の恋のライバル役として、亡き恋人・真壁に生き写しの藤井克巳を登場させることになったとのことでした」
■浅野温子とは今でも恋人同士のようにハグを
思わぬ再登板となった撮影でのことだった。
「メーク室にいると浅野さんがやってきて、今度は『アル・パチーノみたいなオールバックにしてください』ってアイデアを出されました。それでスーツ姿にオールバックという藤井のイメージができあがったんです」
そんな藤井に引かれながらも、薫の中で達郎の存在が大きくなり、別れを決意する。
「広い公園で二人きり。このワンシーンのために、昼からセッティングやリハをして、薄暗くなった夕方6時くらいから本番という、半日もかけた撮影でした」
望遠カメラで撮影しており、周囲にはスタッフも含めて誰もいない。涙ぐみながら別れのセリフを言い合っていると、完全に二人だけの世界に入り込んでしまったという。