「袴田事件」姉弟愛が拓いた再審の道! 姉・ひで子さん「48年ぶりに確かめた弟の手の温もり」
「巖に面会して再審開始決定を伝えたら、『もう裁判は終わってる。帰ってくれ』と、いつもの調子でトンチンカンなことを言うから、明日もう一度来ようと思って帰ろうとしていたの。すると係の人が、『荷物をお返ししますからお待ちください』と。待っていたら巖が出てきて、私の隣にストンと座って。ぼそっと『釈放された』と言ったのよ」
まさか釈放されると思っていなかったひで子さんは、「本物の巖だ!」と叫んで、巖さんの手を握りしめた。
「そりゃうれしかったよ! 村山元裁判長には本当に感謝しています。当時、巖は体調が悪くて、あと1年釈放が遅れたら獄中死していたかもしれんから」
ひで子さん81歳、巖さん78歳。実に48年ぶりに確かめ合った姉弟の温もりだった。
以来2人は、ひで子さんが「いつか巖と住もう」と建てたマンションで暮らしている。
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