松本明子『カミさんの悪口』撮影中に田村正和さんがトイレに行くのを見たことがなかった!
だから、じっと隣にいたのですが、正和さんはその状況に耐えかねたようで、照れた様子で『ちょっと恥ずかしいから、あっちにいってくれるかな』なんておっしゃっていました(笑)」
通常、俳優はスタジオに来てから衣装に着替え、メークをするというが、田村さんは自宅でメークを済ませ、その日の衣装を着てスタジオに入り、翌日の衣装を持って帰宅したという。
「だからスタジオにいるあいだは、“田村正和”ではなくて、ずっと“小泉肇”なんです。プライベートは全く見せず、お弁当を食べるのも、トイレに行くのも見たことがありません」
一方、田村さんの妻役の篠ひろ子は、寒いロケのために手袋や膝掛けをプレゼントしてくれたり、NGを出しても「そんなの全然気にしなくていいのよ」と緊張をほぐしてくれたりしたという。
「お食事に連れていってくださったときには、あの伊集院静さんもいらっしゃったんです!」
不倫相手役だった舞台出身の橋爪功は、演技には厳しかった。「リハーサルのときに、カメラワークに合わせて立ち位置や体の向きを決めたりするのですが、本番になるとうまくいかないものだから『ばかやろー。ダメだな、お前は!』なんて怒られました。