要支援・介護認定は取りづらくなり、いざというとき介護保険の自己負担割合は2倍に
ところが2024年度の改定では、合計所得410万円以上の高齢者に関しては、基準額×1.8倍〜2.6倍となるあらたな所得区分が設けられる見通しなのだ。
「さらに、現在は介護保険を利用する際の自己負担割合は原則1割(所得上位20%・単身世帯で年収280万円以上の人は2割負担で、さらに高ければ3割負担)です。一時期、これを原則2割負担とする案も出されていましたが、あまりにも反発があるので、24年度の改定では所得上位30%ほどに2割負担対象者を拡大するとみられていました。結果的には、それも現在の政治状況を考えてのことでしょう、見送られることになりました。ただし、今後も徐々に2割負担対象者を増やし、最終的には“原則2割負担”とする方針に変わりはないと思います」
つまり、毎月の介護保険料は上がり続ける割には、要支援・要介護認定が取りづらくなり、いざ利用しようとしたときには自己負担割合が2倍になっている可能性もあるのだ。
そして前述のように訪問ヘルパーの人材不足が続けば、在宅介護の家族の負担は増えるか、生活を維持できなくなる高齢者が増えることになり、穏やかな在宅死なんて夢物語になるだろう。
「子供世代に不安を抱かせないためにも、介護保険制度の抜本的な見直しが必要です」
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