吉高由里子はいら立つスタッフに「ねぇ、怒ってるの?」 書道家明かす大河現場の癒しフォロー
するとスタッフも『えっ、怒ってなんかないですよ、そう見えましたか?』と、笑顔を見せてくれたのです。そういった吉高さんならではのフォローもあって、現場のいい雰囲気が保たれているのだと思いました」
紫式部の“生涯のソウルメイト”藤原道長を演じているのが柄本佑(37)だ。
「道長直筆の『御堂関白記』という本があり、筆跡が伝わっています。しかし細かいことを気にしない性格だったのか、あまり上手には見えないのです。きちんと墨をすっていない箇所があったり、筆を寝かせて書いたりしています。
柄本さんも書道は未経験、その拙さを演出にうまくいかせればという思惑もあったようですが、それが功を奏したこともありました。“道長の字”がドラマに登場するシーンがあり、最初はそれを私が書くはずだったのです。
しかし演出家の方から『道長の字にしてはうますぎる』とか『下手に書こうとする作為が感じられる』などと指摘され、困り果てました。
そこで試しに柄本さんがいちばん初めに書いたものを演出家さんに見せたら、『これを使いましょう!』ということになりました。柄本さんの書く文字はユニークなので、周囲からは“佑フォント”と呼ばれていました。