湯江タケユキ「矢沢、これ食べると3回連続になっちゃう」 『アリよさらば』収録現場で目撃したレジェンド歌手の大好物は?
でも、コーヒーを飲んだり、座ったりするだけでかっこいい」
撮影中、OKが出ているのに「矢沢、もう1回」「これは矢沢じゃない」と撮り直すこともあった。そんな矢沢が気持ちよく撮影に臨めるよう、スタッフも気を使っていたという。
「楽屋には矢沢さんのお好きなものを用意していたそうです。ケータリングのカレーが用意されたとき、『矢沢、これ食べると3回連続でカレーになっちゃう』と言っていたので、よほどお好きなんだと」
矢沢ファンであった湯江さんだが、ドラマの中では敵役。
「若かったので、どれほど演じられたのかわかりませんが。当時は27歳、青春ドラマの若者役から大人の役に切り替わっていった時期でした。演技にも、いろいろ迷いがあったんです」
そんな状況を察したのか、あるとき共演者の長塚京三が空き時間にお茶に誘ってきたという。
「長塚さんから『あれだけのスターがいても、ボクらは“職業俳優”としてしっかり現場に向き合わなければね』とアドバイスをいただき、地に足がついた演技ができるようになりました。
憧れの矢沢さんとの共演、そして長塚さんの“職業俳優”という言葉は、今でも宝ものです」
『アリよさらば』(TBS系・1994年)