「幸せだね。ありがとう」冷たくなっていく1歳9カ月の息子の体を抱いて
「訪れた私たちを5~6人のスタッフさんが待っていてくれて。『私たちは全員看護師で、チームユウセイです。24時間夕青くんのお世話をするのでなんでも言ってください』と。まるで友人のような笑顔で出迎えてくれたのです」
案内された部屋の扉には太陽と虹のイラストが描かれ「yusei」の名前入りプレートがかけられていた──。
「この夜、3カ月ぶりに、夕青に『今日は楽しかったね』と声をかけてあげられました」
闘病中は「治ったらね」といろんなことを我慢のさせ通しだった。久しく公園にも行っていなかったが、親子3人で施設内にあるプレイランドで遊ぶことができた。
「縦に抱っこできたのも1週間ぶりでした。夕青の手形足形を取ることもできて。
闘病中の3カ月間も手や足はちゃんと成長していたことがわかって。これもチーム夕青のメンバーが絵の具を用意してくれたんです」
ふだんは家族だけで過ごさせてくれつつ、必要なときだけスタッフがスッとあらわれて、寄り添ってくれたのだという。4日目の夜半のことだった。
「夕青の手をさすっていると冷たくなっていくのを感じて。『もうこの子は自分で体温調節をすることが難しいのだ』、そう思うといたたまれなくなり、部屋を飛び出して共用ダイニングの椅子に座り込んでいたんです。