空前の賃上げも懸念される「人件費」値上げ…美容費や家賃も対象に
円安は食料品などの幅広い品目に波及します」
さらに一部品目では、原材料価格そのものが上がることも。
「原材料価格の上昇率は緩やかになっていますが、たとえば西アフリカの天候不順で、カカオ豆が不足してチョコレートの値段が急騰したり、トマトやオレンジの価格が上がることでケチャップやジュースが値上げされるなど局所的な高騰もあるでしょう」(酒井さん)
負担軽減措置によって抑えられていた光熱費も値上げが迫る。
「政府は、物価高騰対策として家庭や企業に行ってきた電気料金とガス料金の負担軽減措置を5月使用分で約半分に縮小し、それ以降はいったん終了する方向で調整しています。
補助金がなくなると、光熱費が家計を圧迫するだけでなく、企業は電気料金が上がった分を価格転嫁するので、とりわけ冷凍食品や加工食品、菓子などの加工度合いが高い商品の値上げを招く可能性があります」(丸山さん)
そもそも電気料金は、今年5月から再生可能エネルギー促進賦課金が上乗せされる。すでに年間1万円ほどの負担増になることが決まっているのだ。
さらに“値上げのラスボス”である家賃の値上げの可能性も。
「家賃は長らく大きな変動はありませんでした。